■技能試験の概要
実際に寸法を測り、ネジを切って配管を組み立てていく実技は、経験がなければ難しい作業となります。事前に練習するにも機材や工具、材料などが必要になり、個人で行うには大変な部分が多いでしょう。でもある程度ポイントをおさえていけば、それほど難しくはないのです。試験に対する考え方や練習の仕方をポイントをおさえて解説していきたいと思います。
まず組み立てなければならない最終的な配管は「四角く組み立てられたもの」であるのですが、ちゃんと図面があり「寸法」が指定されているので、その通りに組み立てなければなりません。第一のポイントは「図面を理解すること」です。
▼参考図面の内容
実際に行われる図面は事前に入手することができ、形や材料自体は何も違いがありません。一つだけ問題なのは、パイプ4辺の長さが試験直前までわからないことです。でもパイプの切る長さが変わるだけで、組み立ての手順や内容には違いがないことを理解しましょう。
下記に参考図面と解説を掲載します。
A=
|←──────────────────→|
↓1/2Bx3/4Bエルボ ↓3/4B
┌┫━━━━━━━━━━━━━━━━━━┣┐ ―
┴ ┴ ↑
│ 1/2B六角ニップル→ ┼ |
│←1/2B ┬ |
│ 1/2Bユニオン → ┿ |
│ ┴ |
│ │ |
│ 1/2B → │B= |
│ │ |
│ │ |
│ │ |
│ │ |
│ │ |
│ │ |
│ │ |
│↓1/2Bエルボ ↓1/2B 1/2Bティー↓│ |
┬ ┬ ↓
└┤──────────────────├┴┤>―
C= ホースエンド↑
|←──────────────────→|
4辺のうちA=上辺は「3/4B(20A)のSGP」で、残りの3辺B=右辺、C=下辺、D=左辺は「1/2B(15A)のSGP」を使います。左上と右上の角は「異径エルボ」を使って、左下はエルボ、右下はティーを使いホースエンドを接続します。右辺は異径エルボに六角ニップルとユニオンを接続します。
寸法は芯から芯の長さで、パイプの長さではありません。継手の大きさやねじ込みシロを計算した上で、パイプの長さを算出し切断します。図面通りに仕上げなければならないので、使う材料と形を覚えましょう。
LPG(液化石油ガス)の家庭用・業務用消費者の配管工事を行いたい方を対象にした、資格試験「液化石油ガス設備士講習」は、各都道府県の全国47ヶ所で年に4回ほど開催されている講習による取得が可能です。
種類は「LPガス設備工事の経験1年以上の方が対象」の第二講習があり、講習内容は3日間の「配管理論など」「法令」を受けた後、筆記試験による検定試験が行われ、これに合格した者が技能試験を受験できる。
受講受験料は筆記試験12,300円、技能試験は14,300円となっており、申し込み先は各都道府県により異なるので、高圧ガス保安協会等に問い合わせてください。
■技能試験について(実技)
筆記試験はテキストや過去問題を繰り返し読むことで何とか通るかと思いますが、技能試験においては機材や練習用の材料、施工経験が必要になると思われます。試験についての疑問や質問があると思いますが、いくつかのポイントをまとめたいと思います。
▼実施される時期と内容
筆記試験合格が決まってからすぐに行われるため、練習に費やせる時間が意外と少ないかもしれません。技能試験は2回までの受験が可能ですので、1度目がダメでも講義を受けずに2度目に挑戦することができます。
行われる検定の内容は、配管用炭素鋼鋼管(SGP:はいかんようたんそこうこうかん)等を用いた寸法取り、ねじ切り、組み立て、気密試験などを行います。時間は約1時間で全部の作業が終了しなければならず、材料は支給されるが、工具やねじ切り機械等は持参しなければなりません。
▼合格基準
ポイントとしては「漏洩がないこと」「図面通りにできていること」「時間内にできていること」の3点が主で、寸法が違っていたり配管等に目立つ傷が残っていたり、切り間違い等による材料の要求などは減点の対象となり、合格基準に影響があります。ちなみに必要な工具等が足りない場合も減点の対象になるようです。漏洩検知液(石鹸水等)など。寸法違いは±5mm以下で-5点やパイプや材料の目立つ傷は1ヶ所に付き1~5点などで、-40点(60%)までが合格ラインのようです。
作成された作品は、試験後に試験官によってバラされ、ネジの入り具合や水没検査による漏洩試験なども行われるようです。気密試験においても自記圧力計のコックが開いていない状態で作成されたチャート紙を提出した場合に「気密試験の操作ができていないということで不合格」など、他にもいくつか判定基準があります。バカ棒(片ねじ配管によるパイプレンチ代用)なども禁止されているようです。