人間は皆同じ世界に生きていると誰もが知っていて、疑うこともしないだろう。距離は離れていたとしても、時間や空間の異なる次元に存在しているわけではない。だが人によって生きている世界の感覚は大きく異なるだろう。それが世界観というものである。
■観測者
生きている世界とは、用意されたものであって、誰かの手によって作られた創作物であると認識している人も多いだろう。確かに住んでいる家も街も、食べている食料も、着ている服も誰かによってつくられたものだと言える。
私たちはそれを自分の目で見ることで、そこには何があり、どうなっていて、どんな場所かを知る。他人を見ることで自分を知り、他の生き物を見ることで自分が人間だと自覚するのだ。
しかし誰もが同じ世界に生きているというのは勘違いかもしれない。同じ世界で自分だけが不幸な思いをしているとか、自分だけが苦しいと感じてしまうのは何故なのだろうか。他人を恨んだり、羨ましがったり、嫉妬したりするのはなぜなのでしょうか。
それは自分が見えている・感じているものが、世界の本質であり、誰もが同じ印象でその世界を感じとっていると錯覚することにある。つまり初めから枠を決め付けていて、それ以上のことが受け入れられないのである。それこそ小さな世界観の正体ではないでしょうか。
◆無知だと知る時・・・