前記事3回の内容をまとめてみる。単純な方式を標準化するというのはつまり「ベース化」のこと。多様な方法を組み合わせるというのは「マテリアル化」のこと。そして全てを使って行動を起こすというのは「ストリーム化」のことである。
■3つの概念
基本的な概念の上に、成り立つ素材群が、様々な一貫性のある流れを持っているなどと、普通の人はこういう線の引き方・考え方をしない。同じ事を複数の意味として捉えない。異なる視点で見ることができないのである。
人間の基本的な行動は「手」によって実現される。食事や物の取り扱い、車の運転からパソコンの操作まで手を使う。そして手は「ツール(道具)」を使う。間接的にその行動を操作する。ツールは無限にある。しかしその操作は手の動きによってしか行われない。
ツールを使用したとき何が起こるでしょうか。いや何をしようとしていたのでしょうか。その意図はなんであり、その行動には何の意味があり、その結果はどのようなものでなければならないのか。
行動の前提には、目的や動機などの概念的な意図があり、それを実現させる為に様々な方法を用いた行動を起こす。その結果を得ることが、全てに共通する行動の原則であり、人間の行動のメカニズムといえるのかもしれない。
◆三位一体の思考習慣・・・
持っているモノ全てを使って、実際に行動を起こす為の基本。基礎基本を応用した実践的で、プロセス自体に筋道があり、計画・実行が伴うもの。理屈ではなく現実を知る為のアプリケーション・スレッド・プロジェクト(application・thread・project)です。
■求められる働き
高い能力を持っている人材はたくさんいる。「腐るほど」と用いることもあるが、実際に人材は腐っているのである。有能な人間、輝かしい理論、それに対して重大な問題を抱える社会、上手く組み合わされば、これほどみんなの為に役に立つこともないだろう。
頭の切れる若者が集まれば、「もっとこうした方がいい。」とか「あんなことではダメだ。」とか、頭の中では何をすればもっと世の中がよくなるのかをよくわかっている。問題点はみんながよくわかっているのである。
それでも社会がいっこうによい方向へ向かないのはなぜだろう。若者だけでなく有能な人材は腐るほどいるというのに何も起こらないのだろう。みんなわかっていてなぜ何もできないのだろうか・・・
実践は難しいものである。頭の中で考えるよりもずっと複雑で難しい。だから実践的でなければならないし、計画性も必要になるのである。部屋の中で、一人で考えるだけでは何も始まらないのである。
◆外へ出て一歩でも歩いてみよう・・・その世界が見えるように
日本語では多様な方法を組み合わせる。本来もっている力を使いできることをしようという考えや、足りないものを限られたものの中で補完してやること、今までの中から組み合わせによって新しい価値を生み出すことがマルチ・プロセス・アセンブリー(multi・process・assembly)です。
■求められる人材
仕事においてやることはある程度決まっていますが、それぞれの業界、それぞれの会社、それぞれの部門、それぞれの社員によってやり方には違いがありますよね。基本的には販売・納品、請求、支払い、領収というような流れですが、違いがあるのはなぜでしょうか。
初期の頃にプロセスが標準として決まってしまうのが、大きな原因の気がします。それが代々正しい手続きとして、正しい方法として先輩から後輩へ、受け継がれていくからではないでしょうか。
それは本当に基本を押さえたシンプルな方法なのでしょうか。ムダやムラがないでしょうか。本当は変えたいと思っていても習慣的に風習的に変える事ができないのではないですか。
基礎は固めるといいますが、応用も固めてはいませんか。応用は柔軟に広げるものであり、頑固に守り通すものではありません。意図や意味を理解できているのなら、その方法は可能な限り変えていったほうがいいのです。その人、その会社、その業界によってね。
◆コンマ1秒を削る改善の努力・・・
日本語で単純な方式を標準にする。どんな学習や行動においても極自然に行われていることがこのシンプル・メソッド・スタンダード(simple・method・standard)です。簡単に言うと手抜きです。
■求められる頭脳
世の中には複雑で難しいことがたくさんあります。学校の試験や資格試験、人間関係から技術開発まで誰にでも理解できることは少ないように思えます。ある特定の分野に詳しい人を専門家と呼ぶように、難しいほど高度な能力を要求されます。
難しいのは色々な要素が組み合わさっているからで、一つ一つが理解できるならどんなに組み合わさっていても解けるが、一つでも理解できないと全体が複雑になる。日本語ならいくらでも話せるが、外国語は一つ混ざると混乱の種になる。
では、どんなことでも理解できるくらいシンプルにすれば理解はしやすくなるのではないか。単純にした方法や方式を用いれば誰にでも簡単になるのではないか。それを標準的に用いればどんな人にもどんな時でも容易に扱えるのではないか。
難しいことを難しく考えるからいけない。より簡単により単純に、そして誰にでも容易にそしてわかりやすくすることこそ必要なプロセスです。私たちは複雑になりすぎてしまったのかもしれない。だからこそシンプルに生きてみよう。
◆共通した原則があるから・・・
know-how:ノウハウとは知っているのノウと、どのようにのハウを組み合わせた言葉で、やり方を知っている、心得ているなどの意味で使われる。その分野に専門的に詳しい場合にノウハウを持っていると言ったりもする。
■知る為に
ノウハウを身に付けるということは、どうすればいいのかを心得ているということですから、先を予測できなければなりません。こうすれば次はこうなるはずだ・・・と頭の中で未来のシミュレーションをできなければならない。
先を読む力というのはもちろん経験からくるものです。前にもこういうことがあったから、次もきっとこうなるに違いない。こんなパターンを知っているからこのままだと同じ結果を生むだろう。経験するたびにこういう考えは身についていく。
でも、いつでも同じ結果や予想通りの展開になるわけはありませんよね。パターンだっていきなり変化するかもしれないし、誰でも経験できるような平凡なことばかりでもないですから、絶対というのはないのかもしれない。
実はパターンや出来事は無限にあるが、基本というのは限られている。その時々で臨機応変に対処できればいいのです。ノウハウといっても全部を知る必要はない、必要な技術だけを目的に応じて手にすることができればいいのだ。
◆基礎から始まる無限の変化・・・
technic:テクニックとは技術のことを指すが、何かをやり遂げる力を呼ぶのではなく巧みに行うことができることをいう。すぐに身につくものではないが、やっていれば自然と身につくものである。テクニックは経験が差をつくる。
■強み
人は考えることで、何かを選んだり決めたりする。それが意識上でも無意識上でも行動に反映し、結果を生む。その結果が積み重なると一つのパターンが見えてきて、その人の行動様式を形作るようになる。
ある程度形ができあがると、それをどのように生かしていくかという技術面が重要な課題になる。つまり自分の人格が形成され、自分の存在を主張する為に個性を発揮するようになるのである。
個性とは何だろうか。それによって自分の何を主張しようというのだろうか。それがどのような意味を持ち、なんの役に立つのだろうか。私たちはそれを知らなくてはいけない。
私たちは生きる中でナンバーワンやオンリーワンになろうとする。より優れた人へ、他にない優位を得るため努力をしたり行動をしたり、そして考えたりする。それが唯一の他人ではない自分の存在を示す手段だからである。
◆優れた人、劣る人どっちを選ぶ・・・
competency:コンピテンシーとは高業績者の行動特性のことである。つまり業績を上げる人の行動のクセを表したものである。例えば内向的か外交的か、几帳面か大雑把なのかといった具合である。
■行動パターン
人はそれぞれ個性的な行動をとる。親や兄弟のように似たようなクセを持っている人もいるが、社会全体を見れば同じということはほとんどない。起きる時間、目覚め方、その後の行動、眠る時間、眠りの付き方など他人とは似つかないものだ。
行動というのはつまりその人の考え方だ。どうやった方がいいのか、どちらが得か、どうなりたいのかなど思うことに対して色々な意思決定を行っていく。その考え方の結果が行動となって表れる。
でも自分自身が思う価値と、現実の価値に違いがあることもありますよね。考え方によって現実の見え方・捉え方も違いますよね。考え方、行動で結果が変わってしまうのは当然ですから、上手いやり方・考え方もあるはずです。
その行動パターンと思考プロセスを身に付ければ、上手く人生を切り抜けられるはずです。こういうとき成功者はどう考えるだろうか、どう対処するのだろうかと考えることでその行動様式がわかるかもしれません。そしてその行動様式はすでに成功者をたくさん生んでいるのですから・・・
◆成功者の行動様式・・・